ある日、久しぶりの友人から携帯に着信がありました。
「大学の卒業式で答辞を喋らないといけないんだけど、緊張せず上手く喋る方法を教えて」
電話がかかってきたのは卒業式当日の朝です。頼ってくれるのは嬉しいけれど、その時私が伝えられたのはありきたりな心構えやコツを少し・・・自分自身の経験を踏まえながら・・・役に立ったかなァ。
このような声は、披露宴の打合せで新郎様から、当日に新郎のお父様から、スピーチご友人からも聞くことがあります。もちろん当日できる対策として、その場でお答えできる範囲の事をお伝えしています。ですがやはり事前準備が一番です。今回は、事前に出来る事を一つご紹介しましょう。披露宴の結び、新婦お手紙朗読の後、緊張の両家代表謝辞シーンです。きっと皆様に伝わる謝辞ができますよ。
目次
披露宴用のカンペの作り方
オススメはA4サイズ以上
横書きが読み慣れているなら用紙を縦に。縦書きが読み慣れているなら用紙を横に使います。どちらでもいいなら縦書きの方がお勧めです。「暗記します!」とか「その時の気持ちをアドリブで!」という方も、必ずカンペは用意してお守りとして胸ポケットに入れておきましょう。緊張しないという方も、感動で泣いて頭が真っ白になったり、お酒を飲みすぎて頭が回らなかったりという可能性がありますので。
文字は太く大きく
文字サイズは16pt以上がお勧め。老眼の方はもっと大きくてもいいかもしれません。改行や文字間・行間は読みやすいように工夫しましょう。Wordなどで打てば、レイアウトを簡単に調整出来、どんな感じが見やすいかリライトしながら作成できます。書体は見慣れたものを。パソコン文字を読み慣れない方は手書きで。親御様世代にはコンピューター編集が苦手な方もいらっしゃるので、謝辞内容を預かり新郎新婦様が作って、渡してあげるのもいいかもしれません。また、スポットライトが当たったり、会場内が暗かったりと、読みづらい場合もあります。細い書体の文字を太字にしておくこともお勧めです。
スマホやタブレットは避ける
機械は危険です。充電が切れたり、突然機械トラブルが起こったり、見えなくなってしまう場合があります。また、親御様よりも新郎様に多いのですが、手のひらサイズのスマホをチラチラと見ながら謝辞を述べる・・・見ていてかっこよくありません・・・。披露宴では、カンペを堂々と見ても構わないのです。
複数枚の場合は工夫
カンペは、1枚にまとめる程度が「長くて聞くのがしんどい謝辞」を防げます。しかし、文字のサイズを大きくすると、どうしても1枚で収まらない場合があります。そんな時は、用紙の右上と左下両方に2-①、2-②と、文字より太い濃い赤ペンでページ数を書いておきましょう。頭の「2」は何枚あるかを表します。後ろの②はそのページ数を表します。本人がわかりやすい書き方で大丈夫ですが、緊張して「2枚目読むのを忘れた」ということを防ぎます。また、縦書きなら、用紙を横に長く繋ぎ、蛇腹式にして使うというのも面白いですね。ちょっと厚手の紙でB4用紙横使い縦書き筆風の書体でもいいかもしれません。
アドリブを謝辞に入れたい場合
喋りだしと締めの言葉の部分は文章で記載しておき、その間に大きく空白を作ります。そこには、思いつかなかった場合の保険として2つくらい「主賓○○○○様(フルネームで正確に)へのお礼」「息子の名前へ込めた意味」などキーワードを書いておきます。当日、他に喋りたい事が浮かんだら、キーワードを書き換えます。(増やしすぎて謝辞が長くなりすぎないよう注意!)
カンペを見ても声にならない!HELP!
時々「言葉に詰まったらフォローして下さい」なんてことを頼まれることがありますが、謝辞の途中でマイクを通して司会者が喋る・・・これは謝辞の雰囲気が壊れる可能性もあるので、極力避けたいところです。その後まだ謝辞が続くのか、もう謝辞は終わりなのかによって、司会コメントの内容も変わってきます。なので言葉に詰まった時は、隣にいる新郎様、そっと声をかけてあげて下さい。若しくは、謝辞を終わらせたい場合、マイクを下げて欲しいことを傍にいるスタッフにお伝え下さい。何をしていいかわからないくらい困ったら、司会者へ合図を送ってください。一生懸命司会者の方を見つめる(必死で念力をお願いします)、司会者の方を向いて手を挙げてみる、何でも構いません。私たち司会者は、謝辞の最中、必死に見守っていますので、合図を感じたら何かフォローのコメントを入れさせて頂きます。
まとめ
緊張をほぐすコツやアイデアは沢山ありますが、事前に準備する事が一番の特効薬です。カンニングペーパーですが、披露宴のカンペは堂々と見ながら読んでいいものです。カンペが出来たら、本番まで何度か繰り返し声に出して読み上げ練習して下さい。それでも本番何かあった時には、司会者は味方です。全力でフォローさせて頂きますのでご安心下さい。
おまけ
以前、扇子にカンペを書いている方を見かけました。紋付袴姿でそういうアイテムもアリかも知れませんね。
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